「安くておいしいアジア料理の天国」といわれたクイーンズ区フラッシングのメーン通りで異変が起きている。通りをにぎわせていた屋台が姿を消したからだ。この場所に屋台を出店することを禁じる新たな条例が施行されたためだが、周辺では屋台グルメを惜しむ声が止まない。イーターが23日、レポートした。
39番街にあった羊肉の串焼き店に中国風焼き菓子店、38番街にあった焼肉店もなくなった。地元商工会議所によると10年以上同じ場所で経営していた人もおり、場所の移動や閉店を強いられているという。
条例は昨年市議会に提出され通過、今年施行された。メーン通りの歩道が人であふれかえっていたため、屋台の出店を禁じることで混雑緩和を図ろうという狙いだ。しかし周辺の通勤者や住民250人に対して「混雑の原因は何だと思うか」と聞いた調査では、屋台は10項目中平均7位だった。
一方で調査によると裕福な人よりも低所得者の方が屋台を好む傾向にあり、賃料の高騰や住民層の変化により、町の高級化を求める声もある。
調査を行ったコロンビア大教授は「フラッシングには矛盾する将来像がある。屋台出店禁止は、この対立の1つの側面だ」と話した。