同時多発テロの日に起きた殺人事件 18年経った今も犯人見つからず

 9.11同時多発テロが発生した日、ニューヨーク市内で起きた唯一の殺人事件が18年経った今も未解決のままだ。WNYCは25日、事件解決の糸口になればと、2011年9月7日に放送したニュースを再度報じた。
 2001年9月11日の午後11時45分ごろ、ブルックリン区ベッドフォード=スタイベサントの路上で、ヘンリク・シゥイアクさん=当時46=が胸を銃で撃たれて殺害された。その日、市内で起きた殺人事件はこの1件のみ。警察は現場で薬きょう7個を回収。シゥイアクさんは現金75ドルを所持したままだった。「2人の男性が話をしている途中から言い争いとなり、銃声が聞こえた」との近隣住民の証言が残っている。現場付近は当時、麻薬売買や路上強盗の多発地域だった。
 シゥイアクさんは事件の11カ月前にポーランドから移住。建設工事や清掃に従事して現金を稼ぎ、故郷クラクフに住む家族に送金していた。その日の朝もローワーマンハッタンの建設現場で働いていたが、テロ発生で工事は中止に。地下鉄が運行を停止していたためブルックリン区の職業紹介所まで歩いて行き、同区フラットブッシュのスーパーマーケットで時給約10ドルの清掃の仕事を得た。その夜、地下鉄A線でユティカアベニュー駅まで行き、オルバニー街に向かって歩いていた途中に凶弾に倒れた。
 警察は現在も有力情報に褒賞金を用意している。