ニューヨーク市で、ファストフード店の近くに住む子どもに肥満が多いことが分かった。ウォール・ストリート・ジャーナルが29日、ニューヨーク大学(NYU)医学部の研究員による調査結果を基に報じた。
市の公立校に通う5歳から18歳の生徒350万人の身長と体重を基にしたNYUの調査によると、これら生徒の37%が軽度の肥満で19%が肥満だった。この割合は、2009年から13年にNYUが実施した調査結果と同じだった。
調査の対象となった生徒のうち、ファストフード店から半ブロック以内に住む生徒の20%が肥満で、38%が軽度の肥満だった。また、食料雑貨店から半ブロック以内に住む生徒の21%が肥満で、40%が軽度の肥満だった。一方、ファストフードなどが自宅の近くにない生徒の肥満度は低かった。一般的な食料品店や飲食店が自宅の近くにあっても、肥満度への影響は見られなかった。
生徒が自己申告した身長と体重から作成した市保健精神衛生局の最近のデータによると、市の公立校に通う12歳から19歳の生徒の4人に1人が軽度の肥満または肥満だった。肥満は黒人とヒスパニック系の生徒の中で顕著で、貧困層や男子生徒に重度の肥満が多く見られた。
調査を主導したNYU医学部のブライアン・エルベル博士は、酒類販売店が学校の近くで開業できないように、ファストフード店の数と設置場所を規制するなど、調査結果は公共政策に活用できると提言。併せて包括的対策が必要と話した。