バスケしていた少年が撃たれる クイーンズの住宅前、流れ弾で

 クイーンズ区サウスジャマイカの公共住宅前で26日午後8時ごろ、バスケットボールをしていた少年(14)が何者かに撃たれ、搬送先の病院で死亡した。100ヤード(約91メートル)ほど離れた場所で発砲があり、流れ弾が当たったとみられる。周辺には子どもが安心して遊べる場所が少ないといい、安全な地域作りを求める声が高まっている。
 犠牲になったのは高校1年生のアーミア・グリフィン君。31日付ニューヨークタイムズによると、バスケットボールに熱中し、プロの選手になろうと毎日練習を重ねていた。誰にでも優しく、チームメイトにも積極的に指導を行う姿勢から周りから「バディー」と呼ばれ親しまれていた。事件当日にも試合があり、勝利に貢献。銃弾に倒れたのは、帰宅後に自宅前のコートで練習していたときだったという。
 事件翌日、現場となったコートには多くの花やロウソクが供えられ「E4A(全てはアーミアのために)」のサインが並んだ。ニューヨーク市警察(NYPD)は事件を巡り男2人の行方を追っているが、逮捕者は出ていないという。
 30日付ゴッサミストによると、ジュマーニ・ウィリアムズ市政監督官は事件を受け、若者が集まって活動できる場所の少なさが、こうした事件を起こすと指摘。「グリフィン君はバスケという、14歳の少年がすべきことをしていただけだったのに」と悔やんだ。
 周辺住民は2008年に閉鎖された近くの地域センターの再開など、市の支援を求めている。同区選出のエイドリアン・アダムス市議は「クイーンズ南東部の子どもが死んでいる」と早急の対応を訴えた。