ニューヨーク市の公立校に通うホームレスの生徒の数が、2018年秋から今年春までの昨学年度、11万4085人だったことが分かった。過去最多だった17年度の11万4659人から減少したが、依然として全生徒約110万人の約10%に当たり、高止まりしている。子どもを支援する非営利団体、アドボケーツ・フォー・チルドレンが10月28日、発表した。
集計ではホームレスの生徒を、シェルターや親せきの家、路上などで生活する、安定した住居を持たない生徒と定義。11万4085人のうち3万4000人以上が市のシェルターで、7万3750人が親戚や友人などの家に身を寄せていた。人種別で見ると、黒人とヒスパニック系が85%を占めていた。
落ち着いた環境で勉強ができないホームレスの生徒は成績も伸び悩みがちだ。昨春の州統一テストの読解の合格率は、通常の生徒より20%低い29%だった。高校を卒業する生徒は57%にとどまった。
デブラシオ市長は14年の就任時からホームレス問題を最優先課題に掲げ、19年には対策に32億ドルを計上。しかし有効策の1つである手頃な価格の住宅供給は進んでいない。