移民の子がNYPDの次期本部長に ダーモット・シェア刑事部長

 今月いっぱいで辞任するニューヨーク市警察(NYPD)のジェームズ・オニール本部長の後任、ダーモット・シェア刑事部長(50)について、ウォール・ストリート・ジャーナルが4日、報じた。
同刑事部長の両親は1950年代にアイルランドから米国に移住。クイーンズ区サニーサイドで5人きょうだいの1人として育った。便利屋だった父親が一家を支えた。91年、兄やいとことともに警察学校を卒業。麻薬事件担当の私服警察官などを経て、ブロンクス区第44分署および第50分署の所長になり、銃犯罪の削減に貢献した。2014年からは、犯罪抑制戦略班の責任者として情報分析を担当。現在のNYPDの捜査手法の柱となる予測的アプローチの開発に従事した。
 市庁舎で4日に行われた記者会見で、デブラシオ市長は、「裕福な家庭で育ったわけではなく、努力と決断を通じ、類まれなる知性を使い全てを達成してきた」と同刑事部長をたたえた。刑事部長も自身の子ども時代を振り返り、「お金とは全く縁がなかった。父と母はここで出会い、多くの移民がそうであったように、(慎ましい)生活を始めた」と話した。
 一方、今回の人選に疑問を呈する声もある。リーガル・エイド・ソサエティーで刑事事件の弁護を担当するティナ・ルオンゴさんは、「コミュニティーと共にあるべきNYPDが、外部の意見を全く聞かず決定したのは透明性に欠ける」と指摘している。

シェア刑事部長。本人の公式ツイッター
(@NYPDDetectives)より