ニューヨーク市社会福祉局(DSS)と非営利の芸術・人文科学研究会議(AHRC)は5月から、タフト財団からの助成金を受けて、心身障害者や自閉症の人が市で働くきっかけとなるインターンシップを紹介するプログラム「パートナーシップ・フォー・インクルージブ・インターンシップ(PII)」を実施している。amニューヨークが5日、報じた。
DSSのスティーブン・バンクス局長は「体や心に問題を抱える人が、自立して生産的な生活を送れるように支援するのが目的」と話す。AHRCニューヨーク支部の支部長、マルコ・ダミアニさんも「米国内の16歳以上の心身障害者の20.7%しか雇用されていないのが現状。行政がやるべきことはもっとある」と指摘する。
同プログラムの下、過去半年で初年度の目標30人を超える36人がITや経理などの仕事を体験した。左腕と左脚を失い、義手と義足を使うルイーザ・ジャンセンさん(25)は、ニューヨーク市立大学で建築学の修士課程で学んでいる。夏に市ホームレスサービス局で、シェルターにおけるアクセスの改善事業に携わった。「プロの仕事を体験できたのは貴重」と振り返る。
既に3人が市の職員として正規採用された。ロデリー・ダミレさん(31)もその1人。夏は、インターンとして市人事管理局(HRA)でデータ管理のスキルを磨き、9月から常勤職員として働く。「就職できたのは、PIIのおかげ」と顔をほころばせた。