ニューヨーク州都市交通局(MTA)は来年5月から20年間かけて、マンハッタン区東42丁目のグランドセントラル駅に続く75エーカー(約30万平方メートル)の地下鉄車庫の改修工事を行う。
大規模計画に伴い、同区ミッドタウンイーストの交通や周辺ビルへのアクセス、歩行者の安全やビジネスへの影響が懸念されている。ウォール・ストリート・ジャーナルが10日、報じた。
パーク街270番地のJPモーガンチェースの本社社屋から始まる改修工事の総工費は20億ドル(約2181億円)。これにはインフレは考慮されていない。改修工事によりパーク街の車道の一部や歩道、交差する道路が工事のために使用できなくなる。また、十数本のプラットホームと、57丁目のトンネルで4本となる86本の線路を含む2層式の車庫の各セクションを改修するため、パーク街の車道や歩道、花や木が植えられた中央分離帯が掘り起こされる。JPモーガンチェースは社屋を解体し、新しくタワーを建設する。
MTAの関係者は、改修工事が車の流れや歩行者に与える影響の程度を発表するのは「早すぎる」と明言を避けた。影響を最小限に抑えるため、改修工事は数ブロックずつ段階的に行う。通勤にグランドセントラル駅を使う、メトロノース鉄道の利用者約20万人には影響はないという。改修工事の完了は2040年を予定している。