マンハッタン区チェルシーの低所得者向けの公共住宅の部屋が、民泊大手エア・ビー・アンド・ビーに1泊90ドルで貸し出されていたことが発覚。物議を醸している。ニューヨークタイムズが9日、報じた。
マサチューセッツ州ボストン市からの旅行者、レイチェル・バレリオさん(29)と母親が同アパートを訪れてみると、部屋にガスの臭いが充満し、ゴキブリ取りが置いてあった。「ロビーにNYCHA(ニューヨーク市住宅局)とあったので変だと思った」とバレリオさん。
ニューヨーク市では、居住者(ホスト)が不在のアパートを30日未満の短期間貸し出すことは違法。さらに、公的機関から家賃を援助されているアパートや家賃を規制されたアパートの貸し出しも禁じられている。それでも、公共住宅の貸し出しは後を絶たない。
同紙によると、先週もクイーンズ区の公共住宅が1泊89ドルでリスティングされた。ブルックリン区では、マットレスのみ敷かれた1泊27ドルのリスティングが動画で拡散した。エアビーの法務担当は、市の規制を支持すると明言。契約に違反していないかは「ホストの責任」と話す。
公共住宅の監視と調査を行う委員会の議長、リッチー・トレス市議会議員(民主)は12日、自身のツイッターで、公共住宅からどれだけの部屋がエアビーにリスティングされているかを究明する公聴会を開くと述べた。