地下鉄でチュロス販売し逮捕 無免許販売が後を絶たない理由は?


 8日、地下鉄構内でチュロスを販売していた女性を、ニューヨーク市警察が取り囲み、連行する様子を写した動画がSNSで拡散。何百人もが「チュロレディ」についてツイートし、騒ぎに発展している。ニューヨークタイムズが13日、報じた。その後の調べから、女性はブルックリン区在住のエクアドル移民(43)で、3年にわたり無免許でチュロスを販売していたことが分かった。
 市内で食品を移動式屋台で販売するには、市衛生局が発行する50ドルのモバイル食品販売許可証と、200ドルのカートまたはトラックごとの販売許可証が必要だ。市は同許可証の数を2900に制限、その上限は1983年から据え置かれている。 
 非営利の保護団体ストリート・ベンダー・プロジェクトのモハメド・アッティアさんは、許可証が不足しているため、所有者は許可を125倍以上の価格でベンダーにリースする例もあるとし、ベンダーが借金に追い込まれると懸念。昨年来問題になっている、タクシーの「メダリオン(許可証)」と同じ構図になっていると指摘する。同紙が2017年に取材したベンダーは、許可をリースするため2万5000ドルを支払ったという。
 アッティアさんによると、市は07年、待機リストが2500人になった時点でリストに上限を設定。そのため、それより後にビジネスを始めたベンダーは許可をリースしている可能性があるという。
市議会は許可証の数を徐々に増やす条例を検討中。一方で、レストラン業界や地区のビジネス振興団体は、営業妨害に当たり街の美観を損ねると許可証の発行数増加に反対している。

警察から質問を受けるエルザ・モロホヅチ容疑者の様子を捉えた映像のスクリーンショット。音楽家のソフィア・ニューマンさんのツイッター(@SofiaBNewman)より