ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長が13日、今年3月を最後に開いていなかった市民との対話集会を開催した。ウォール・ストリート・ジャーナルが14日、報じた。
市長は2015年、マンハッタン区ワシントンハイツで住宅問題に関する集会を開催したのを皮切りに、ほぼ毎月、対話集会を行ってきた。しかし今年は、3月の集会を最後に実施していなかった。5月に2020年の大統領選出馬を表明、しかし、十分な支持を得られずに10月、レースから撤退した。7カ月以上、市民集会を開催しなかったことについて、市長の広報官は「大統領選を優先したわけではない」と弁解している。
クイーンズ区のオーガスト・マーティン高校で行われた13日の集会では、車を減速させるために道路に設置するスピードバンプや、公立学校での生徒のトイレ休憩、ホームレスシェルターの安全性などの質問が参加者から寄せられた。中でもアマリリス・グリーンさん(9)は「地下鉄がいつも遅れるのはなぜ」「ニューヨーク市警察の黒人幹部、ベンジャミン・タッカーさんを本部長に選ばなかった理由は」などと鋭い質問を矢継ぎ早に浴びせた。市長は、「地下鉄を運営しているのはニューヨーク州」「他に適任者がいたから」などとかわしたが、アマリリスさんは「納得がいかない」と不満をあらわにした。
市長は集会後、「テレビでは会話も質問もできない。目の前に、当の本人がいると全てがオープンになる。市民にとっては新鮮な経験」と自画自賛した。