ホームレス殺害の男、「記憶ない」 過去にたびたび暴力事件を起こす

 マンハッタン区チャイナタウンで先月5日、ホームレス男性4人を撲殺したホームレスの男が、事件当時の記憶がないと話している。
ニューヨークタイムズが18日、報じた。
 ランディ・サントス被告(24)は同日午前2時ごろ、路上で眠っていたホームレスの男性4人の頭部を金属の棒で殴り殺害。
 ライカーズ島刑務所に拘留中の同被告は、現金に換えるために空き缶を探していたことや、ブロンクス区の廃ビルで寝泊まりしていたことは覚えているが、それ以外の記憶はないとして無罪を主張。スペイン語しか話せない同被告は、自分がなぜ逮捕されたかを理解していないという。
 同被告はこれまでにも、地下鉄車内で見知らぬ乗客の顔面を殴り目の下の骨を砕き、12針縫う大けがを負わせたり、祖父に暴力を振るったりするなど、暴力事件をたびたび起こしていたが、実刑を免れていた。チャイナタウンでの事件の1週間前にも、同区のハイライン付近の公園で寝ていたホームレスの男性(38)を棒で殴り、川に落とそうとしたという。
 危険人物である同被告が拘束されず、自由に路上を歩き回れる状態にあったことで、司法および社会福祉制度の欠陥が浮き彫りになっている。
 同被告の家族は、サントス被告の暴力性は、精神疾患と薬物乱用によるものと主張している。

Yurika Fukagawa