体のあちこちの筋肉が痛くなる線維筋痛症
(先週から続く)線維筋痛症(せんいきんつうしょう、Fibromyalgia)は全身の広い範囲にわたって痛みを感じる病気です。原因やメカニズムが解明されていないことから決定的な治療方法がなく、痛みの緩和などの対処療法的な処置が行われています。線維筋痛症の症状には次のようなものが挙げられます。
さまざまな痛み
首から肩、背中や腰部、臀部などの体幹部や、太ももや膝、下肢などの痛みやしびれ・こわばり感、また眼の奥や口腔の痛み、頭痛などさまざまな症状があります。
痛みの箇所や強さは人により異なり、通常なら痛みを感じないほどの刺激に対して痛みを感じることもあります。痛い箇所は移動することもあり、天気や疲れ、ストレスなどで痛みの度合が強くなることもあります。関節リウマチとよく似た関節痛を訴える場合もあります。からだの痛み以外にも次のような症状を伴うことがあります。
・睡眠障害・疲労感・抑うつ感、不安感・過敏性腸症候群、便秘、下痢、腹痛
・手足のしびれ、こわばり、レイノー現象などのリウマチ症状
※レイノー現象=血流が悪くなって指先が白色や紫色になり、冷えや痛み、しびれなどを伴う
・頭痛・目や口の乾き・頻尿、膀胱炎・その他、月経困難、生理不順、冷感、耳鳴り、
むずむず足症候群など
症状を緩和する
カイロプラクティック治療
カイロプラクティックで線維筋痛症を治すことはできません。ただし、症状の緩和を目的としたカイロプラクティックの治療が注目されています。
カイロプラクティックは、骨の歪み(サブラクセーション)を正し、神経の流れ(自然治癒力)を正常にすることが目的です。矯正(Adjust)で患者の自然治癒力が最大限に発揮され、それにより症状の改善を期待できます。
カイロプラクティック治療は、背骨を中心に扱います。なぜなら脳からの全ての信号、または脳への全ての信号(痛みやその他の感覚など)は、背骨を通っているからです。そのため、カイロプラクターは背骨の位置を調整し、矯正することによって症状の多くを解決できると考えています。線維筋痛症の場合でも、痛みのある箇所ではなく、背骨にアプローチします。またマッサージ治療、超音波、電気刺激による良好な結果も報告されています。