運転中にテキスト、歩行者死なせる 有罪の評決、最長10年の禁固刑の可能性

 ニュージャージー州マンモス郡の上位裁判所の陪審団は22日、運転中に携帯電話を使用し、交通事故を起こしたとして危険運転致死の容疑で起訴されていた女に有罪の評決を下した。女は最長で10年の禁固刑に科される可能性がある。
 同州は12年、携帯電話の使用による交通事故の急増を受け、運転中の携帯電話の使用を、飲酒運転と同等に厳しく罰する州法を制定。証拠不十分などでこれまで起訴が困難とされた携帯電話を巡る交通事故の判決として注目を集めている。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
 非営利団体ジュ―イッシュルネッサンス財団の常任理事、アレキサンドラ・マンソネット被告(50)は2016年9月28日午前8時20分ごろ、メルセデスベンツを運転し自宅から職場に向かう途中、同郡キーンズバーグで、前を走っていたトヨタカローラに衝突。カローラが、歩いていたユウェン・ワンさん=当時(39)=をはねた。ワンさんは搬送先の病院で数日後に死亡した。
 裁判で同被告は、後部ウインドウの曇り止めのスイッチを入れるために下を向き、視線を戻すと目の前に車がいたと主張。しかし、同被告が運転中に元義理の妹からディナーに関するテキストメッセージを受信し、これに答えようとしていたことが携帯電話の記録から判明しており、テキストメッセージを読んだ時間と場所、返信テキストを打ち始めた時間が裁判の争点となっていた。
 17年に全米で2935件の不注意運転による交通死亡事故が起きたが、そのうち401件が携帯電話の使用によるものだった。

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