ネット通販大手のアマゾンがスタテン島で運営する巨大配送センター、フルフィルメントセンター(FC)で労災事故が多発していることが、内部資料から明らかになった。事故率は全米平均の5倍に上るという。ゴッサミストが25日、報じた。
問題のFCは昨年9月にオープンした「JFK8」。ここでは2000人以上が働いている。移民とマイノリティーの支援団体メーク・ザ・ロードが、アマゾンが米労働安全衛生局(OSHA)に提出した報告書を基に分析したところ、JFK8の総労働時間に対する重大事故の発生指数は15.2だった。これは全米平均の5倍の高さで、炭鉱や製材所の事故率を上回るという。報告書から負傷した従業員は平均で64.04日の欠勤を余儀なくされていることも判明。労災事故はノルマをこなすために過密スケジュールで働くことを強いられ、有給休暇も認められないホリデーシーズンに多発していることも分かった。昨年の感謝祭から今年の年始にかけて労災事故で63人が負傷、そのうち17人は重傷で職場復帰ができていないという。
メーク・ザ・ロードの弁護士で報告書を分析したフランク・カールさんは「世界で最も裕福な企業が労働者を保護していないことを知り、衝撃を受けた」と非難。JFK8の従業員600人は25日、休憩時間を増やすことなどを求める嘆願書をアマゾンに提出した。アマゾンは「事故率が高いのは労災を隠さずに報告した結果。従業員の安全は最優先事項」と反論している。