「破綻したシステムの生贄」 エプスタインの監視怠った看守側が反論

 少女らへの性的虐待などの罪で起訴されていた富豪のジェフリー・エプスタイン被告=当時(66)=が公判前に勾留中のメトロポリタン矯正センター(MCC)で自殺した事件で、同被告の監視を怠ったとして19日、看守2人が虚偽の記録作成などの容疑で起訴された。
 MCCは長期にわたり人員不足で、両被告はエプスタイン被告が自殺した同じ週に時間外労働を何回も強いられていた。トーマス被告の弁護士は25日、「看守らは破綻した刑務所システムの生贄」と訴えた。ニューヨークタイムズが26日、報じた。
 MCCの監視カメラが捉えた映像によると、8月9日午後10時30分から首をつった状態で発見された10日午前6時30分までの間、エプスタイン被告の監房に近づいた者はいなかった。担当看守のマイケル・トーマス被告とトバ・ノエル被告は義務付けられた30分ごとの巡回を怠り、インターネットを閲覧したり居眠りをしたりしていた。しかし報告書には「巡回した」と記載していた。
 弁護側は、3週間前に自殺未遂を起こしたエプスタイン被告を、「自殺監視リスト」から外すに当たり米司法省に同被告を別の被告と2人部屋に拘置すると伝えていたにもかかわらず、1人で独房に入れたことは不自然と主張。また、「自殺の責任を看守に押し付けようと、外部から何らかの圧力がかかっている可能性があると」と批判、MCCの方針決定者の責任についても言及した。
 両被告は無罪を主張。公判は来年4月20日から開始の予定。