インターネットでの注文が全米で最も多いとされるニューヨーク市で、配達物の盗難が多発している。ニューヨークタイムズが3日、報じた。
市では1日につき、4年前と比較して約20%増に当たる9万個以上の小包みが盗難または紛失しているという。都市部に配達された小包みの15%が、盗難や誤った住所に配達されるなどして、注文者のもとに届かない。郊外や地方では、窃盗犯が配達車両のあとを追跡し、配達されたばかりの小包みを盗むという。
配達物不明の頻発を受け、ネットで買い物をした客は、自宅の玄関付近に監視カメラを設置したり、はがきや封筒の大きさに合わせて作られた旧式の郵便受けを小包みが入る大きさのものと取り換えたりするなど、さまざまな盗難防止対策を講じている。
ネット販売業者や宅配会社も盗難防止に努めている。ネット販売最大手のアマゾンは、注文客が商品の配達時に合わせて自宅にいられるように、リアルタイムで配達状況を伝えるサービスを導入。またUPSは、テクノロジー会社と協力し、アパート内の鍵が付いた専用の倉庫に小包みを預けられるような体制を整えている。
また、アマゾンやUPS、FedExなどは、受取人が不在の際に小包みを預けられる安全な場所のネットワークを拡大。アマゾンはマンハッタン区に100以上のハブロッカーを保有している他、雑貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの中にも、小包みを預かる店が増えているという。