マンハッタン地区検事局のサイ・バンス地方検事長は6日、闘犬と麻薬密売などの容疑で、マンハッタン区在住のホセ・リベラ容疑者(55)ら4人を逮捕、起訴し発表した。
容疑者らは同区ワシントンハイツやセントラルハーレムなどのアパートで「訓練」の名の下に犬を虐待、2018年9月から今年10月まで、ブロンクス区で闘犬を開催していた疑いがある。ニューヨーク市警察(NYPD)と動物虐待防止協会(ASPCA)は現場でピットブル29匹を救助し、ヘロイン4キロとフェンタニル3キロ、銃器2丁を押収した。
マンハッタン地区検事局のサイバー犯罪部門が個人情報窃盗事件を捜査中に同犯罪組織を発見。保護されたピットブルのうち十数匹には虐待の跡が見られるという。冷凍庫の中からは犬の死骸も見つかった他、訓練用のトレッドミルや犬の口をこじ開けるブレーキングステックもあった。バンス地方検事長は「動物虐待は21世紀のニューヨークに存在すべきではない」と非難。救助した犬を引き取り、治療を施したASPCAの会長、マット・バーシャドカーさんは「闘犬は想像を絶するほど残酷な行為。いつでもどこでも起こり得るということが分かった」と怒りをあらわにした。
リベラ容疑者と共に逮捕されたロングアイランド在住のベニート・ギッテンス容疑者は動物病院に勤務しており、犬が闘いを続けるように医療行為を行ったり、重傷を負った犬を安楽死させたりした疑いがある。