クイーンズ区に新設される中学校の入居場所を巡り、ニューヨーク市で最大のチャータースクール運営組織、サクセスアカデミーと市との間で対立が深まっている。ウォール・ストリート・ジャーナルが9日、報じた。
市は11月、中学校の入居場所としてクイーンズ区南部にある敷地面積3万3000平方フィート(約3066平方メートル)の旧カトリックスクールを推薦。しかし、アカデミー側は、当時、カトリックスクールに通っていたのは250人で、来年入学予定の600人を収容するには狭すぎるとして拒否。室内運動場や講堂、カフェテリアもなく、改築に数百万ドルを要すると指摘した。これに対し市教育局(DOE)の報道官は「保存状態は良好で、500人は収容できる」と反論している。
デブラシオ市長は、「生徒を選り好みする、受験勉強に注力しすぎる」と、かねてからアカデミーの教育方針を批判。また、アカデミーが教室の空きが目立つ公立学校を使用する案を提示したのに対し、市が拒否したという経緯があり、市とアカデミーの間には軋轢があると見る関係者もいる。
クイーンズ区ファーロッカウェー在住で、サクセスアカデミー小学校の4年生クラスに通う息子を持つジゼル・バリエンテさんは、「優良公立中学は地域に1、2校しかない。しかも教室はすし詰め状態」として、アカデミーの中学校新設に期待を寄せた。