ニューヨーク在住のみなさまへ、特報です。これまで熊本を拠点に国内で日本の芸術文化を発信してきた鳴鳳堂が、ニューヨーク5番街にギャラリーをオープンさせました。文化施設を兼ねているギャラリーにはなんと茶室があり、ここニューヨークに日本文化を感じる体験型茶室が完成しました。オープン直前に特報をGET!日本鳴鳳堂代表取締役の蘇慶(そ・けい:スー・チン)さんとニューヨーク鳴鳳堂代表取締役の三浦茉莉子(みうら・まりこ)さん、そしてニューヨーク初アーティストの蓮美明子(はすみ・あきこ)さんにインタビュー!
Q.鳴鳳堂とは、どんなところなのですか?
A 日本鳴鳳堂は熊本県阿蘇山の麓を拠点に、日本文化の発信してきました。約6万平方メートルの広大な土地に、江戸時代の武家屋敷を模した建築ははじめて訪れたお客様を驚かせてきました。歴史的に価値のある古美術も数々所蔵されています。日本の芸術文化を体験できる施設が熊本にあることを知るだけでもわくわくします。これまで、武道大会を中心に居合、茶道、吹禅、舞踊、華道などの演者を派遣したり、国際的に文化交流を行ってきました。さらなる芸術交流とアートの重要性を発信していくためにニューヨークに文化施設を兼ね備えたギャラリーをオープンさせました。
Q. 日本鳴鳳堂代表取締役の蘇社長にインタビュー
蘇さん: 日本の鳴鳳堂はもともと、日本の食文化の伝道や伝統的な古美術のコレクションを展示したり、日本の伝統芸能を保持するために若手の人材育成伝道を行ってきました。そのなかで、芸術家として活動されている蓮美明子さんとの出会いがありました。アーティストをプロデュースしていく事業の構想がうまれたのもその頃でした。2019年5月に三浦さんと蓮美さんと一緒にニューヨークに来た際に、『アートの中心』であるニューヨークで才能あふれる日本の女性アーティストの活動をサポートしていく場を作りたいと思ったのが、オープンのきっかけです。ニューヨークの中心、5番街42丁目は世界の中心。ここから芸術文化を発信できると確信し、ギャラリーを設立しました。
ニューヨーク鳴鳳堂には、茶室でおもてなしができる空間も設置。5番街で茶室、っていいでしょ~。茶人は男性が多かった歴史がありますが、私たちは「女流茶道の支援」をイメージしています。茶室で着る着物についても、蓮美さんのオリジナル衣装の展開に期待したいと考えています。アートと一緒に日本のファッションも今の人々に受け入れられる新しいスタイルで提案できたらいいなと考えています。
Q.ニューヨーク鳴鳳堂の展開は?同社代表取締役の三浦社長
三浦さん : 今回の蓮美さんの作品には心を動かされる感動がいっぱいつまっています。私自身も感動しました。期間中に展示をぜひご覧いただきたいと願っています。今後、多くのアーティストの展示会を第2弾、3弾、とやっていきたいです。なによりも女性の感覚を展示会に最大限に活かしながら、アーティストを積極的にプロデュースし、世界に羽ばたける人材の育成と芸術文化を広める場所にしていきたいです。
蘇さん: 毎年5月は「アジア・太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間」です。1843年5月7日に初めて日本人移民が米国に到着したことと、1869年5月10日の大陸横断鉄道完成を記念してのことだそうですが、ニューヨーク鳴鳳堂でもアジア文化を紹介する企画を考えています。
ニューヨークはアートへの造詣が深い街。42丁目にあるニューヨーク公共図書館やグランドセントラル駅などは建築物としても素晴らしい。将来的にはグランドセントラル駅構内のスペースも借りて何かできれば、ニューヨークと日本の伝統と「今」をつないだ企画になっていくのではないかと期待しています。
Opening Artist Akiko Hasumi
アーティスト 蓮美 明子(はすみ あきこ)
大阪生まれ、奈良で育つ。沖縄県立芸術大学デザイン科で日本の芸術文化を深く学んだ後、英国サリー大学院で和洋の比較芸術文化とヨーロッパのデザインを学ぶ。帰国後、大学院過程を終了。日本と英国の修士課程を得てダブルマスターを取得。東京で起業し、ギャラリー&アートスクールを運営しながらアーティストとして展示会も多数開催。ニューヨーク鳴鳳堂でオープニングアーティストを担う。
Q.ニューヨーク鳴鳳堂で展示するにあたり、どんな作品を作ろうと考えたのですか?
蓮美さん: 今回は、ニューヨーク鳴鳳堂の初の展示会です。ニューヨークに住む世界からの人々が共感してくれるといいなあと願いながら製作に励みました。新元号候補をコンセプトに、6つのタイトルで表現!「令和・英弘・万保・万和・広至・久化」にはそれぞれ意味があります。伝統的なフォルムですがモダンな色やデザインをテーマに作品を作りました。「和モダン」な作品をぜひ会場に足を運んで、目でみて感じていただきたいです。
Q.今回の展示の見どころは?
蓮美さん: 魯山人が大成したおもてなしの器を目指して安土桃山時代の茶碗の形を作りだしました。伝統的な形には意味があり、温故知新を深く理解し作陶しました。しかし、わびさびの器は受け入れるには学びの時間と感受性を磨かねばなりません。ニューヨークにて感動を手渡すためにポップな色使いと斬新なデザインで勝負しました。蓮の作品は私の名前の由来です。蓮の花のように泥に染まらず、美しい花を咲かせたい。そして笑顔で明るく生きる!と決めて人生を歩んできました。作品から何かを感じていただければ嬉しいです。鳳凰の作品、龍と富士山の作品、竹の作品、満月の作品、福とお地蔵様の作品、それぞれ意味があって手渡す先も決めて作りました。今回は展示前にすべて完売です。素晴らしいご縁と応援してくださっている方々に感謝の気持ちでいっぱいです。今回の見どころはギャラリー内に茶室を設置したことです。温故知新の作品をご鑑賞していただき、お茶たてを致しますので、心からの「おもてなし」をお楽しみください。笑顔で待ってます。
Q.蓮美さんのこれからの活動について教えてください。
蓮美さん: 私の展示会を通して多くの人がここを訪れ、ニューヨークにこんな場所があったんだと知っていただきたい。そしてアーティストにとってここで展示会をやってみたいと思える場所をつくり、夢と可能性を手渡していきたい!そう、考えています。私自身、2020年は世界各国で、個展を開催します。私の活動がニューヨーク鳴鳳堂の発展につながると信じています。みなさまにお会いできる日を楽しみにしています。