ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は8日に行った施政方針演説で、性犯罪の常習犯が、ニューヨーク市の公共交通機関を利用することを禁止する法案の成立を今年中に実現する意向であると発表した。スタテン・アイランド・ドット・コムが同日、報じた。
同法案は、ニューヨーク州都市交通局(MTA)の行動規範が定める性関連犯罪に繰り返し違反した者や、危険性が高い性犯罪者であると法的に見なされた者が、MTAが運営する地下鉄やバス、鉄道を利用することを3年間禁止する権限をMTAに与える。ただし、3年間の利用禁止の具体的内容については現段階では明らかにされていない。
これに加え、裁判所は、公共交通機関での性犯罪により有罪判決を受けた者に対し乗車禁止命令を発行することや、裁判前の保釈の条件として、禁止命令を一時的に発行できるようになる。禁止命令に従わない場合は、A級軽罪である交通機関への不法侵入の罪に問われることになる。
ニューヨーク市交通局(NYCT)のアンディ・バイフォード局長は、「MTAの利用者は、公共交通機関に安心して乗車できなければならない。われわれは、性犯罪者のターゲットから乗客を守る義務がある」と述べた。市警察(NYPD)のダーモット・シェア本部長も同法案の推進を歓迎。
一方、低所得者層を支援する弁護士団体リーガル・エイド・ソサエティー(LAS)は声明で、「同法案は警察の人種プロファイルの対象となっているマイノリティーの就労や教育、治療プログラムへのアクセスを切断する」として、法案が可決された場合は提訴する用意があるとした。