「独房の映像を紛失」 検察とFBIが不自然な釈明



 マンハッタン区連邦検察は9日、少女への性的虐待などの罪で起訴、昨年8月に拘置所で自殺したジェフリー・エプスタイン被告=当時(66)=が7月に自殺未遂を図った独房の監視カメラの映像が消されていたと発表した。ニューヨークタイムズが9日、報じた。
 
 同区のメトロポリタン矯正センターでエプスタイン被告と同じ独房に収容されていたニコラス・タータグリオーネ被告(51、殺人罪で起訴)の弁護士が、映像の提出を要求した際に発覚。
 死刑判決を受ける可能性があるとされるタータグリオーネ被告は、エプスタイン被告が自殺を図ろうとしたのを「救った」と情状酌量を求めており、その証拠として映像を求めていた。
 
 連邦検察は、「看守が手違いで別の映像を上書き保存してしまったため、昨年7月22日から23日にかけての映像はない」と説明。連邦捜査局(FBI)も技術的エラーから、映像のバックアップも取っておらず、監視映像は存在しないと回答。経緯が「不自然」と再び疑惑を呼んでいる。