ニューヨーク市および市経済開発公社(EDC)、市運輸局(DOT)はこのほど、2年前に計画を断念していたブルックリン区とクイーンズ区を結ぶ路面電車「BQX」の建設計画を、29年完成をめどに再び進めていくと発表した。ゴッサミストが10日、報じた。
デブラシオ市長は16年、25億ドル(約2751億円)を投入し、イースト川沿岸を走行し、クイーンズ区のアストリアとブルックリン区のサンセットパークを結ぶ路面電車の建設計画を立案。しかし、地元住民からの反対や、市の資金調達計画が不透明であるとの批判、自然災害で線路が冠水しやすいとの懸念を浴び、計画はいったん白紙に戻っていた。
市長は2年後、ルートを11マイル(約18キロメートル)に短縮、アストリアからブルックリン区レッドフックまでに変更した再計画を当初の予算を上回る27億ドル(約2970億円)をかけて進めると発表。さらに今年、23年までにデザインなどの最終案を提出し、市長退任後8年目となる29年を目標に、工事を完了すると意欲をにじませた。
27億ドルの予算のうち約14億ドルは不動産価格の上昇による差額で賄い、残りは連邦政府からの補助を受けるという。
市は、BQXが、今後40年間で300億ドル(約3020億円)の経済効果を市にもたらすと主張している。