新事務所に銃弾 ヘルズエンジェルス、住民は戦々恐々

 バイカーギャング集団のヘルズエンジェルスがこのほど、ブロンクス区スロッグスネックに事務所を移転。新しい事務所を開設早々の2日夜、事務所に銃弾14発が打ち込まれた。近隣住民は暴力の日常化を懸念している。ウォール・ストリート・ジャーナルが8日、報じた。
 ヘルズエンジェルスは昨年、イーストビレッジ東3丁目77番地にあった事務所を800万ドルで売却し、市内5カ所に不動産を購入。新事務所となったスロッグスネックの旧在郷軍人会事務所もその1つ。当初は、「地域復興の一助になるのでは」と地域住民も歓迎ムードだったが、2日の銃撃事件で状況は一変した。
 同地域に長く住むビクター・オーティズさん(50)は「暴力を嫌ってここに引っ越してきた住民が多い。これでは元も子もない。不動産価格の下落を心配する声もある」と浮かない顔だ。エイドリアン・コスタさん(20)も「荒くれ集団だが、最近は住民に敬意を払っていると思っていたのに」と動揺を隠さない。
 さらに、地元選出のマーク・ジョナジ市議会議員(民主)の顧問弁護士、エドモンド・プライヤー氏が今回の不動産購入に関与していたことが判明、同弁護士は「(不動産購入に関わる仕事は)私的な弁護士活動」と弁明 。ヘルスエンジェルスのメンバーが警察の捜査に非協力的であるとの批判は見当違いであると反発したが、6日辞任した。
 ジョナジ議員は「ヘルズエンジェルスの責任者と早急に面談し、地域の安全を確保したい」と話している。