ニューヨーク州は、税金の優遇措置や公的補助を受けている団体に対して、施設を投票所として提供することを選挙法で義務付けている。しかし、投票所に使われることを拒否する団体が判明しているだけでも52に上ることが分かった。ゴッサミストと公共放送WNYCは、情報公開法を基に市選挙管理委員会から投票所としての使用を拒否する団体からの手紙を入手、14日報じた。
拒否しているのはメトロポリタン美術館やニューヨーク歴史協会、リンカーンセンター、アメリカ自然史博物館など。「業務に甚だしい支障が生じる」「既に展覧会が予定されている」などがその理由だ。いずれの団体も固定資産税の優遇措置を受けており、市はこれらの団体から毎年、約5億8000万ドル(約637億4330万円)の歳入を逃しているとの試算もある。提供拒否は選挙法違反に当たるが、選挙管理委員会の関係者によると、強制するには訴訟を起こさなければならないという。
一方、州法の下で投票所に指定されることを拒否できない公立校は昨年、不在者投票の投票所61カ所のうち33カ所に使用。11日間にわたり体育館などが閉鎖されたことから保護者からは非難が噴出。リズ・クルーガー州上院議員(民主)は、不在者投票の投票所に公立校を使うことを禁じる法案を提案し、先週、上院を通過。法案には免税や州から100万ドル以上の補助金を受ける公共施設は、投票所として場所を提供することを義務付ける条項が含まれている。