マンハッタン区高位裁判所は15日、交際相手の6歳の息子に暴行を加え死亡させたとして、殺人および過失致死、児童の福祉を危険にさらした罪でライシェイム・スミス被告(45)に有罪判決を下した。
裁判では、凄惨な虐待の内容が明らかになっただけでなく、虐待の明確な兆候を見つけた学校からたびたび報告があったにもかかわらず介入に至らなかった市職員による失態も明らかになった。ニューヨークタイムズが15日、報じた。
スミス被告は、恋人のジェレルディン・パーキンス被告と2015年に同居を始めてから同被告の息子ザイメア君を日常的に暴行。食事を与えない、冷水シャワーを浴びせる、直立不動の姿勢を取らせ眠らせないなどして虐待。学校関係者が児童福祉機関に連絡し、社会福祉士がザイメア君から虐待についての話を聞いた5カ月後の2016年9月26日、ザイメア君は死亡した。パーキンス被告は、スミス被告がしつけと称して執拗に虐待を加えるのを止めなかった。
事件後、関係者が解雇され市児童福祉局のグラディス・キャリオン局長も辞任。デービッド・ハンセル新局長の下、的確な時期での調査を徹底。ケースワーカーと教師の間に通信ラインを新設し出席記録から虐待を発見するよう務めたり、学校の看護師に対し虐待の証拠となるあざなどを撮影する訓練を始めたりするなど虐待防止の措置が講じられるようになった。スミス被告は最低15年から終身刑に直面する可能性がある。