遡河魚阻むダム、撤去の努力始まる 魚の生息環境改善へ、ハドソン川

 

 ハドソン川では何千年も昔からブルーバックヘリングなどの魚が産卵のために川を遡上している。しかし、行く手を阻むものがある。打ち捨てられた古いダムだ。ようやく始まったダム撤去の動きをニューヨークタイムズが20日、報じた。
 ハドソン川のニューヨーク市とニューヨーク州北部オルバニー市の間には約2000基のダムがある。州西部には発電用の大型ダムが存在するが、東部にあるダムは、1700年から1800年代に動力用として建設された。市立大学クイーンズ校のジョン・ウォルドマン生物学教授は「小さいダムがそこら中にある。ようやく撤去の努力が始まった」と歓迎する。
ニューヨーク州環境保全局(DEC)は昨年、資金約100万ドルを用意して、ダムの所有者に撤去の可能性を打診した。非営利団体リバーキーパーは、ニューヨーク市から60マイル北にあるカサイッククリークにかかる12基を撤去候補として挙げている。いずれも4フィートから10フィート(約3メートル)と小型。DECのハドソン川南部担当、ケリー・ターテューロさんは「修理する価値のない不要なダムをなくし、魚の生息環境を改善したい」と話す。
 ダム撤去の動きは他州でも見られる。メイン州では2012年から13年、巨大ダム2基を撤去したところ、川にサケやウナギの稚魚が戻ってきた。

Rick Bennett / USFWS

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