ニューヨーク市衛生局(DOS)が発表したデータによると、市内で捨てられたごみのうち資源として再利用(リサイクル)されているのは全体のわずか5分の1であることが分かった。家庭から出るごみの18%、企業から出るごみの25%しか再利用されていないという。廃棄物の50%を再利用するワシントン州シアトル市やカリフォウニア州サンフランシスコ市に比べて、なぜ劣るのか。1月29日付のニューヨークタイムズが分析した。
まず、生ごみを堆肥化するコンポストプログラムの導入が遅れている。専用の容器が普及しておらず、堆肥化の予算も不足。2015年の調査では市の公共住宅のうちリサイクル用のごみ箱を備えているのは15%、また現在、40万戸の公共住宅で、再利用されるごみは2%以下だ。また、ごみを分別せずに出した場合、ビルの所有者に科される罰金も1回につき25ドルと「寛容」。賃貸物件が多い市では取り締まりが追いついていない。ごみを分別して出しても、処理施設の職員が時間に追われ、再生可能ごみとその他のごみを一緒にしてしまうという。
なんでも宅配に頼るニューヨーカーの「態度」も一因だ。発送用の段ボールや包装紙、プラスチック容器が膨大なごみと化す。DOSのキャサリン・ガルシア局長は「洗剤1本を買うにもアマゾンを使う。」と嘆いた。