ニューヨーク市警察(NYPDが昨年、サイクリストに発行した交通違反召喚状は3万5000通以上で、トラック運転手に対しては3万4593通だったことが分かった。NYPDが1月29日、市議会の道路と車両の安全に関する公聴会で発表、交通情報サイトのストリートブログが同日報じた。
NYPDによると、トラックが市内の交通量で占める割合は10%。市によると、自転車が占める割合は1%。交通量と違反召喚状の発行数が反比例していることに対し疑問の声が噴出している。
昨年起きた交通死亡事故220件のうち43件がトラック運転手の過失によるものだった。一方、過去10年間でサイクリストが歩行者を巻き込んだ死亡事故は5件のみ。市で過去2年間に起きた交通死亡事故の46%がトラックまたはSUVの運転手の過失によるもので、2013年から17年の40%から上昇している。
サイクリスト団体、バイクNYのジョン・オルカットさんは「交通規制の優先順位を決定する際にトラックと自転車を同等に考えるのは言語道断」と非難。交通活動家団体トランスポーテーションオルタナティブズのジョー・カトルフォさんは、事故を起こした場合、トラックは自転車よりもはるかに「致命的」であるとし、召喚状発行数は市による交通事故削減の取り組み「ビジョンゼロ」の誤ったアプローチを示すものと批判した。