生後間もない息子を窒息死させたとして逮捕されたブロンクス区在住の父親が、過去に児童虐待の疑いで4度、調査の対象となっていたことが分かった。ニューヨークタイムズが7日、報じた。
ブロンクス区ウイリアムズブリッジで1月29日、生後6週間のカシーム君がベッドの中で意識を失っているのを母親のセリシア・レイズさんが発見。カシーム君は搬送先の病院で死亡が確認された。レイズさんの交際相手でカシーム君の父親のテシャウン・ワトキンス被告(27)はニューヨーク市警察(NYPD)の調べに対し、「泣き止まないので顔に枕を押し付けた」と証言。しかしNYPDは、同被告がカシーム君の顔に枕を押し付け故意に窒息させようとしている様子や、カシーム君の頭をつかみ、空中で回す様子を映した過去のビデオ映像を発見。同被告を殺人罪で逮捕、起訴した。同被告は過去にレイズさんに対する暴力容疑で2回逮捕されている。別の息子が足を骨折した例も含め、NYPDは児童虐待の疑いで2016年12月から同被告に対して調査を開始したが、「虐待はなかった」と判断されていた。
市では、子どもへの虐待または育児放棄の件数が16年の6万5000件から、17年には6万9000件に増加。先月24日にはロングアイランドで、児童虐待ホットラインに17回も通報があったにもかかわらず、州児童サービス局(OCFS)が適切な対応を怠っため、8歳男児が凍死する虐待事件が起きている。