ニューヨーク交響楽団は、19人の女性作曲家による作品を演奏するコンサートシリーズを5日から始めた。米国で女性参政権が認められて今年で100年を迎えるにあたり、同交響楽団が企画。いずれの作品も世界初演となる。ウォール・ストリート・ジャーナルが6日、報じた。
同交響楽団の「プロジェクト19」では、19人の女性作曲家に作曲を依頼。リンカーンセンターのデービッド・ゲッフェン・ホールで5日行われた公演のパンフレットには、モーツァルトやハイドンと並んでニューヨーク州ロックランド郡在住の作曲家、ニナ・ヤングさんの名前が。同交響楽団によると、ヤングさんを皮切りに今後半年間で19人の作家の作品を演奏するという。
この日会場では女性有権者同盟による選挙登録も行われ、同管弦楽団の初めての女性団員、ステフィー・ゴールドナーさん(1896〜1962年)に関する展示も見られた。同企画の一環としてメトロポリタン美術館で8日から、女性参政権運動の指導者、スーザン・B・アンソニー(1820〜1906年)を題材にしたオペラ「すべての母」も上演。
ニューヨーク州立大学フリードニア校の調査によると、米国内の交響楽団が今季、演奏を予定している4000以上の曲目のうち、女性作曲家の作品はわずか8%に過ぎない。ニューヨーク交響楽団の最高責任者、デボラ・ボルダさんは、同紙の取材に「オーケストラも社会問題の解決に目に見える形で貢献すべき」と話した。