ニューヨーク市で、水道本管の老朽化が問題となっている。ニューヨークタイムズ13日、報じた。
マンハッタン区アッパーウエストサイドで先月、数日間の間に連続して2本の水道本管が破裂。噴き出した水のため道路が水浸しとなり通行不能となった。今月10日には、同区ローワーイーストサイドでも、水道本管が破裂し、数時間にわたり水が噴き出し、周辺道路が閉鎖された。市では昨会計年度、史上最多となる459本の水道本管が破裂。1.2日に1度の割合で破裂していることになる。
市環境保護局のビンセント・サピエンザ局長は、市内で昨年度に起きた水道本管の破裂は100マイルごとに6.6回の割合で、全米の大都市の中では2番目に低いと擁護。同局長によると、全米平均は、100マイルごとに年間25回だという。
一方、都市政策を提言する非営利団体センターセンター・フォー・アン・アーバン・フューチャーのエグゼクティブディレクター、ジョナサン・ボウルズさんは、「地下にあって見えないインフラ設備の数は把握できないが、年々、随所で老朽化と破損が進んでいる。修理も交換もされない場合は、さらに多くの水道本管の破裂やガス爆発などが発生し、地下だけでなく地上にも大きな影響を与える」と警告した。市には約7000マイル(約1万1270キロ)の水道本管が張り巡らされているが、その平均使用年数は66年に及ぶ。老朽化が進む水道本管の修理に市は年間約4億ドル(約439億円)を費やしている。