ニューヨーク州都市交通局(MTA)は先月、マンハッタン区の地下鉄西4丁目駅のホームにある椅子の背もたれを取り外した。地下鉄駅構内でホームレスが寝泊りするのを防止するのが狙い。ゴッサミストが14日、報じた。
MTAはこれまで、人が長時間座れないように座り心地の悪い椅子を設計したり、腰掛けられるスペースの前に柵を設置したりするなどして、ホームレスが「ベッド」として使わないように試行錯誤を重ねてきた。特に西4丁目駅は寝泊りするホームレスが集中。夜間、最大で15人が寝泊りしていたこともあった。同駅ではホームレスの迷惑行為の対応に追われ、列車が遅延することも一度ならずあったという。
MTAは、ホームレスが横になって眠れないようにひじ掛けを設置。しかし、後ろの背もたれに寄り掛かり眠るホームレスが後を絶えず、寝泊りの阻止にはつながらなかった。業を煮やしたMTAは先月、十数個あったベンチの背もたれを「撤去」する強行策に出た。
MTAの広報担当、シャムス・タレックさんは、「背もたれを取ったことでホームレスが減り、安全かつ清潔になった」と話す。一方、ホームレス擁護団体「ヒューマンNYC」の代表、ジョッシュ・ディーンさんは、「真冬に路上に追いやられたホームレスの健康を脅かす仕打ち」と非難している。