ニューヨーク市警察(NY
PD)が、レイプ事件の容疑者への適切な対応を怠り、さらなる被害者が出たことで、性犯罪特別捜査班(SVD)が長年にわたり抱える問題が浮き彫りになっている。ニューヨー
クタイムズが17日、報じた。
2019年1月、自宅で起床直後にレイプされたニューヨーク大学に通う女子大生は、事件後NYPDに被害届けを出した。2カ月後、ブルックリン区で起きた3件の強盗事件の容疑者として拘留されていたタイラー・ロケット被告(22)の指紋と、女子大生の部屋に残された未使用のコンドームの包装紙から採取された指紋とが合致。しかし、ロケット被告は強姦容疑で起訴されることなく、同年7月に釈放された。同被告は、再度逮捕されるまで、2週間に3人の女性をレイプしていた。
報道によると、SVDの捜査官は、ロケット被告が強姦事件の容疑者であることを検事局に伝えるのを怠るなど、同被告が釈放されるまでに数々の失態を犯していた。2018年度の市の監査により、SVDの捜査官の一部が、レイプ被害者に対し、まともな捜査もせずに、裁判になれば、「身元が公になる」などと言って提訴を思いとどまるよう働きかけていたことなども発覚している。
過去には、SVDの捜査官の1人が、ハリウッドの元大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン被告に対する性的暴行の申し立てを誤って処理し、起訴が取り下げられたこともあった。NYPDはSVDの幹部の入れ替えや捜査員の増員、訓練強化など、組織の改善に乗り出している。