ブロンクス区高位裁判所は18日、ブロンクス動物園で飼育されているアジアゾウが隔離され飼育されているのは、人権侵害と違法監禁にあたるとして、動物保護団体が起こしていた訴えを退ける判断を下した。ゴッサミストが20日、報じた。
訴訟は非営利の動物保護団体、ノン・ヒューマン・ライツ・プロジェクト(NhLP)がアジアゾウのハッピーに関する人身保護令状を裁判所に請求したもの。ブロンクス動物園に来て42年目のハッピーは、2002年にパートナーだったグランピーが死亡した後、一緒に飼育されていたサミーも病死。過去10年間、他のゾウとは離れた敷地内で生活している。NhLPは18年、隔離は虐待で「人権侵害」にあたるとして、ハッピーをカリフォルニア州の保護区域に移すよう求めていた。
しかし、裁判所のアリソン・トゥイット判事は、ゾウは人間ではないことから「人権侵害」とは認められないと判断。ただし、訴えの一部である「動物は尊厳と敬意をもって扱われるべきで、自由を謳歌する権利がある」には賛同。保護区域への移送については同意しているという。
一方、ブロンクス動物園園長のジム・ブレーニーさんは、飼育係とハッピーは強い絆で結ばれていると主張。別の保護区への移送は「かえってハッピーにストレスを与える」と指摘している。