新型コロナウイルス肺炎の感染が拡大する中、アジア人を標的にした嫌がらせが州内で多発している。これを受け、クイーンズ区選出のマーガレット・チン市議会議員(民主)が9日、市内で記者会見を開き、苦情を訴えた。ゴッサミストが10日、報じた。
マンハッタン区地下鉄グランドストリート駅で2月2日、マスクをしたアジア系女性が黒人の男に「病気のあばずれ」と暴言を吐かれ殴られる様子を捉えた動画がSNSで広がり波紋を呼んだ。地下鉄L線内では今月4日、黒人の男がアジア系の男性に暴言を吐きながら消臭スプレーを吹きかける動画がSNSで拡散。同区34丁目5番街の路上では10日朝、女が「マスクをしろ、あばずれのアジア人」と叫びながら、マスクをしていないアジア系女性を殴打する事件が発生した。
また、州内では非アジア人がアジア人を指差し、「コロナ」と言ったり、近づいてきて、目の前でわざと咳をするなど、アジア人に向けた嫌がらせが多数報告されている。
チン議員は会見で、コロナウイルスと肌の色は関係ないと主張。誤った情報やうわさが広がり憎悪犯罪が増加したため、アジア人コミュニティーがパニックに陥っていると非難した。
ローワーマンハッタン選出のユー・リン・ニオウ州下院議員(民主)によると、事務所に、「コウモリを食べるのか?」と嫌がらせの電話があったという。
同議員は、「アジア人は今、悪者に仕立てられている。ウイルスだけではなく、反アジア感情の恐怖とも戦っている」と語気を強めた。
米疾病予防管理センター(CDC)は公式ウェブサイトで、「アジア人から感染する確率は他の人種と変わらない」と明言。デブラシオ市長は、増悪犯罪に遭ったら、ただちにニューヨーク市警察(NYPD)増悪犯罪班に通報するよう呼び掛けている。NYPD増悪犯罪班には、緊急通報番号「911」、または行政相談窓口「311」からつながる。
ニューヨーク州のクオモ知事は11日、「コロナウイルスは増悪犯罪の言い訳にはならない」と強調。「ニューヨークはアジアコミュニティーと共にある」と表明している。
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