ブロードウェー、損失1億ドル以上予測 15作品が初演前、「最悪のタイミング」

 ニューヨーク市は、新型コロナウイルスの感染拡大の予防措置として12日から4月13日の週まで、ブロードウェーでの公演を中止した。ショービジネスの専門家は、今回の措置に伴う損害額を1億ドル(約105億7300万円)以上と見積もっている。ウォール・ストリート・ジャーナルが12日、報じた。
 損失は、公演のチケット売り上げの他に劇場施設の賃貸料や周辺の飲食店にも及ぶ。ミュージカルや演劇公演を頂点にした「城下町」のような形態のブロードウェーが被る経済的損失は計り知れない。
 ブロードウェーが公演中止に追い込まれたのは今回が初めてではない。しかし、9/11同時多発テロの直後や、1975年の組合員による25日間の団交時と比べても、今回の措置は史上最長だ。さらにブロードウェーでは6月7日のトニー賞の発表に向け15の作品の初演を4月23日までに迎える予定だったが延期に。関係者は「最悪のタイミング」と頭を抱えている。
 2018年度トニー賞で最優秀再演賞を受賞した「アイランド」の演出家、ケン・ダベンポートさんは「初演作品がヒットするまでには相応の期間が必要。それまで資金をもたせるのは非常に困難」と指摘している。

「ティナ」公演中止の張り紙。12日午後撮影。(Photo : Yurika Fukagawa / 本紙)

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