ニューヨーク州で新型コロナウイルスの感染拡大が続いた場合、人工呼吸器が不足するのではないかとの懸念がある。ニューヨークタイムズが17日、報じた。
ニューヨーク州生命と法に関する特別委員会によると、1918年から19年に世界中で大流行し5000万人以上が死亡したスペイン風邪のような状態になった場合、州で1週間あたり1万8600人の患者が人工呼吸器を必要になるという。
同委員会が2015年に発表した報告書によると、州の病院には約7250台、養護施設に約1900台の人工呼吸器があるが、その大部分が使用中だった。州の緊急用備蓄も2800台しかなかったことから、コロナウイルスのまん延がピークに達した際には1週間に最大1万5783台の人工呼吸器が不足すると推定される。
人工呼吸器は1台最低2万5000ドル(約270万円)と高価なうえ、扱いには相当な訓練が必要となる。同紙が特別委員会の報告書とジョンズ・ホプキンス健康管理センターの調査を比較した結果、州では州民1人あたりの人工呼吸器の数が全米平均よりもわずかに少ないことが判明している。