メトロポリタン美術館は18日、職員に送った書簡の中で、新型コロナウイルスの感染拡大で、同美術館が7月まで閉鎖となった場合、約1億ドル(約111億4000万円)の打撃を被るとの見方を示した。各メディアが19日、報じた。
書簡は、同美術館のCEO、ダニエル・H・ウェイス氏と館長のマックス・ホレイン氏の連名で出された。疫学的見地から流行のピークを5月初旬とし、6月中旬からの回復を予想。「極めて困難な状況であるいま、過去から受け継いだ大切な美術館を守り、必ず存続させなければならない」と強調。対応策として4月4日まで職員は有給の在宅勤務とし解雇や依願退職を検討するとしている。「7月に再開できても、少なくとも来年までは来館者数は低調になると見込み、特別展も減らす」という。
同美術館は今月12日に閉館。運営予算は年間3億2000万ドル。人件費は月額1600万ドルに上る。
収入減を年間36億ドルの寄付金で穴埋めしたい意向だが、寄付金自体、株式市場の急落で減少するとの懸念もある。