食料品店従業員に募るストレス 過労と感染の恐怖に怯える日々

 ニューヨーク州では、新型コロナウイルスの感染予防措置として外出制限が施行されているが、食料品店は依然として営業を続けている。しかし従業員は、押しかける客への対応で過労となり、ウイルス感染の不安から大きなストレスを抱えている。ゴッサミストが22日、報じた。
  「感染を防ぐのは神の加護のみ」と話すのはダニエル・フェレリアさん(61)。マンハッタン区のワシントンハイツの食料品店で、商品の補充を担当している。「お上からの支給がない」と言われ、フェレリアさんは仕事中、マスクも手袋も着けていない。
 ブルックリン区のベッドフォードスタイブサントにあるブラボースーパーマーケットの従業員によると、買いだめをしようとする客が毎日のように店に押し寄せ、「客と6フィート(1.8キロメートル)の間隔を空けるのは不可能」と訴える。
 従業員から感染者が出たスーパーもある。マンハッタン区のコロンバスサークルとブライアントパークにあるホールフーズは20日、従業員2人の陽性が判明したため、営業を一時中止。しかし、清掃した翌朝には再開した。ホールフーズの従業員は「感染の恐怖で泣いている」とゴッサミストに話した。
 コロンビア大学の米国災害準備センターの代表、アーウィン・レッドレナーさんは、食料品店の経営者に対して、「従業員の苦労を理解して社会的責任を果たすべき」と苦言を呈した。

マンハッタン区ブライアントパークのホールフーズ。24日午後撮影(Yuka Takeuchi / 本紙)