泊まり込みで働く電力会社の従業員 24時間体制、37人が交代で作業

 ニューヨーク州民の多くは新型コロナウイルス感染拡大の予防措置として、在宅勤務を強いられている。しかし、同州の電力会社、ニューヨーク・インディペンデント・システム・オペレーター社(NYISO)の従業員は、職場に泊まり込んで働いている。ウォール・ストリート・ジャーナルが5日、報じた。
 NYISOの代表、デイビス・リッチ・デューイさんによると、NYISOが同州に電力を供給し続けるためには、発電所と制御室に年中24時間体制で職員を配置する必要がある。しかし約6人で編成している制御室の従業員は、特殊な狭い空間で作業しているため、1人がウイルスに感染した場合、他の人に感染する確率が高い。さらに多くの従業員が感染した場合は、人手不足で、州への電力供給が途切れるリスクがあるという。
 これを防ぐためNYISOは、オルバニー郡の郊外にある2カ所の発電所で3月23日から、調理や清掃のスタッフを含む従業員37人を隔離。隣接する駐車場にキャンプ用トレーラーを設置して、2人1組で寝泊まりしている。各作業員は12時間働いた後、直ぐにトレーラーに戻るため、従業員以外と物理的に接触することができない。隔離は、自主的に志望した従業員が行っているという。
 また、同州北部とハドソンバレーに電力とガスを供給するナショナル・グリッドも、エリー郡バッファローや、オルバニー郡などにある電力制御室の職員を隔離。ニューヨーク電力公社(NYPA)でも3月下旬から85人の従業員を隔離している。