感染の疑いで病院に搬送後、行方不明に クイーンズ区、73歳の女性

 新型コロナウイルス感染の疑いで、クイーンズ区の自宅から救急車で搬送された高齢女性の行方がわからなくなっている。ニューヨークタイムズが7日、報じた。
 同区ウッドヘブン在住のマリア・コレアさん(73)は3月30日、朝から咳をし始め同日午後3時30分、症状が急に悪化。救急車で同区ジャマイカ・ホスピタル・メディカルセンターに搬送された。コレアさんには、糖尿病やがんの病歴があったという。
 しかし家族が翌日、同センターにコレアさんの病状を問い合わせると、搬送された記録はないとの応答があった。その後1週間にわたり、消防署や他の医療施設、コレアさんを搬送した救急医療班に電話で問い合わせたが、未だに行方はわかっていない。
 コレアさんの義理の娘はコレアさんが搬送される2週間前、嘔吐や疲労感を訴え1週間後、糖尿病性機能障害により死亡。また、コレアさんの家族のうち5人は現在、体調不良を訴えている。
 同紙は同医療センターに取材を問い合わせたが、「患者の個人情報に関する質問は答えられない」という理由で、コメントを控えている。
 市の医療施設では、同ウイルスに感染した患者が溢れ、患者の重症度に合わせて治療の順番を決めている。また、看護師や医師のマスク、防護具が不足。911への通報も急増し医療システムがパニック状態となっている。