クイーンズ中心部が感染多発地域に 誤診や情報伝達の遅れが原因か

 新型コロナウイルスの感染拡大が、クイーンズ区中心部の医療施設に深刻な被害をもたらしている。ウォール・ストリート・ジャーナルが17日、報じた。
 ニューヨーク市でもっとも感染者が多い同区コロナ地区では、17日までに2510人、隣接するエルムハーストでは1939人、ジャクソンハイツでは1511人の新型コロナウイルスの感染が確認されている。さらに、これらの地域の医療施設の多くでは、従業員の感染や死亡例も多い。医師や職員約100人の3分の1以上が感染し、複数が死亡している施設もあるという。
 また、同ウイルスの診療に対応していないため、患者が減少し閉業した私立病院やクリニックも多い。同区で保険未加入者を中心に2万人以上の患者を持つコミュニティクリニックのプラザ・デル・ソルでは、患者数が3週間前より75%減少した。
 同区の医療施設、ニューヨークプレスビテリアンの代表、スティーブン・コーウィンさんは、市で新型コロナウイルスの感染が急増する前の2月から、同区のパンデミックが始まっていた可能性を示唆。同ウイルスの感染を誤って、インフルエンザと誤診していたため、医療関係者や患者の家族の感染拡大ににつながった可能性が高いと考えている。
 また市内で感染拡大が始まった初期、市保健局や知事の公式発表が多国語に翻訳されていなかったため、英語が分からない同区の移民コミュニティに情報が行き渡っていなかったこともパンデミックをを招いた一因の1つと指摘されている。

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