新型コロナウイルス感染拡大予防措置の一環で、 ニューヨーク州内の公立学校が遠隔授業を実施している今、教員の負担が増えているため、労働組合が対応策を模索している。ニューヨークタイムズが21日、報じた。
「仕事は無限大に増えている。1日のほとんどの時間を仕事に費やしている」と話すのはブルックリン区の小学校教諭、トーマス・パスカレッラさん。最近も、グーグルが提供するオンライン授業ソフト、グーグル・クラスルームの設定方法を教えるため、生徒と2時間も電話で話したという。
米国教員組合(AFT)の組合長、ランディー・ウェインガーテンさんは「教員は、かつてないほど重労働を強いられている」と指摘。教員はもともとパソコンの画面に向かって仕事をすることに慣れていないため、仕事時間も増加している。そこで、市内の教員で構成する労働組合、ニューヨーク市教員連盟(UFT)は、教員の勤務時間が6時間20分を超過しないよう、市に強く働きかけている。生徒の成績向上や教員の評価を棚上げにして、授業時間を削減する方針の学校もあるという。
しかし、授業数を減らすと、家庭への負担が増える。州内では「子供が勉強している間だけが、自分の自由な時間」というシングルマザーの切実な声も上がっている。さらに、学力向上の低迷による低所得者層への影響も懸念。AFTは生徒や保護者、教員双方の現状を改善するため、対応策を慎重に検討しているという。