ニューヨーク州のクオモ知事は3月末、州内の全ての医療機関に対して、妊婦の出産をサポートする付添人を1人に限り許可する行政命令を発令。しかし市の一部の医療機関では、新型コロナウイルスの感染を懸念して、未だに付き添いの制限がされている。ゴッサミストが21日、報じた。
マンハッタン区アッパーイーストサイドのマウントサイナイ病院では13日、帝王切開で出産する妊婦の夫が出産に立ち合おうとしたところ、新型コロナウイルスの検査を受けていなかったという理由で、病院から面会を禁じられた。手術の間、病院の外で待たされ、出産後の病室への入室も禁止されたという。
クオモ知事は3月末、発熱のない付添人1人に限り、面会を認めている行政命令を発令した。しかし、同行政命令では帝王切開で出産する妊婦については、規定が不明瞭となっているため、市では未だにパートナーの付き添いが禁じられるケースが多いという。マウントサイナイ病院の広報担当は20日、面会を禁じている理由について、米疾病管理予防センターと保健省の厳格なガイドラインに従っており、「妊産婦とパートナー、新生児、職員の安全と健康が最優先。人事を尽くしているのみ」と主張。
一方、市ではこのところ、分娩室や病室での面会が禁止されていることから、自宅での出産を希望する妊婦が増加。
3月29日付のニューヨークポストによると、市の助産師が3月末までの1週間で受けた自宅出産に関する問い合わせの数は、通常1年間に受ける件数を上回っていたという。