パンデミックでも食品を届け続ける配達員 コロナ感染の不安抱えながらの日々

 ニューヨークで買い物代行のサービスを行う配達員は常に、新型コロナウイルス感染の不安を抱えながら働き続けている。その様子をニューヨークタイムズが18日、報じた。
 「母国のハイチに住む家族には『感染していつ死んでもおかしくない』と伝えてある」と話すのはジェラルド・ティモシーさん(35)。オンラインの買い物代行サービス、インスタカートの配達員だ。インスタカートには3月以降、1万4000件以上の注文が舞い込んだ。通常よりも150%増だ。「市民は私たちを頼りにしているのかもしれない」とティモシーさん。「ニューヨーク市が機能しているのは配達員を含め、エッセンシャルワーカーが働いているから。まるでヒーローになった気分だ」。
 朝、ブルックリン区イーストニューヨークからマンハッタン区ミッドタウンまでを1時間かけて歩く。「これが私の武器」と、会社から支給されたマスクを1日中着用する。手や買い物かごを消毒し、感染に気を付けながら、頼まれた買い物を昼までには済ませる。配達員の多くは車を使うが、ティモシーさんは徒歩。商品を入れたショッピングカートを引き、毎日5〜6マイル(約8〜10キロメートル)は歩く。午後8時まで働いて、8〜10件の配達を完了。配達料金と買い物の依頼主からのチップが稼ぎとなる。ティモシーさんは、その大半を家族に送金する。友人と食料を購入し、コロナ禍で困窮する家庭に送付する活動も行っているという。

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