ジョージ・フロイドさん暴行死事件や人種差別事件を巡る抗議運動が活発に行われているニューヨーク市内で、治安紊乱などの疑いでこれまでに逮捕されたのは約2000人。多くは召喚状を受け、釈放されている。勾留したのは約500人。4分の1は略奪に関与した窃盗罪の容疑者だ。狭い留置場に詰め込まれ、新型コロナウイルス感染拡大の懸念が高まっている。ニューヨークタイムズが4日、報じた。
「監房に約30人が詰め込まれ、間隔はせいぜい2フィート。トイレは詰まり、石鹸もなかった」と話すのは、不法集会の疑いで逮捕・勾留されたクレアランス・ジョンソン容疑者(24)。咳をしたり、見るからに病気だった人もいたという。
勾留が長引いているのも問題視されている。4日朝出廷した380人の内、70%が24時間以上勾留されており、80時間という容疑者もいた。低所得者を支援する弁護士団体リーガル・エイド・ソサエティー(LAS)は、逮捕から24時間以内に罪状認否のために出廷させるという州法に違反しているとして市警察(NYPD)に対して訴訟を起こしている。しかしマンハッタン区の地方裁判所は同日、「パンデミック中のさらなる非常事態のため、例外」としてこの訴えを退けている。
裁判所は3月から、ビデオチャットシステムを使用。裁判官、検察官、弁護士は遠隔で参加する。逮捕者の急増に、午前1時〜午前9時までの夜間法廷をリモートで追加して対応している。