コロナ禍で食品価格が高騰 食肉工場の閉鎖などで供給不足に

 コロナ禍でサプライチェーンが混乱した影響で、食品価格が高騰している。収束後も、賃金や運送費の上昇から、価格は高止まりすると予想されている。ウォール・ストリート・ジャーナルが9日、報じた。
 米労働省によると4月の食品小売価格は、前月比2.6%の上昇(季節調整済み)。上げ幅は、1974年以来、最大となった。新型コロナウイルス感染拡大予防の影響で食肉工場が閉鎖され、供給不足が生じたのが主因。食肉価格は5月23日までの1週間に、前年同時期比で15%も上がった。これに、運送費の上昇が加わる。小売店が割引きを実施していないことも食品価格を高止まりさせている。「歴史的地殻変動だ」と大手食品配送会社、ゴードン・フード・サービスの代表、ジャグター・ニジャーさんは指摘する。
 失業などで収入が減る中、生活費に占める食品代金の割合は高まる。消費者は、低価格ストアブランドの購入やディスカウントショップの利用で対応。ニューオリンズ在住のニコール・リーダーさんは「高価な鶏肉の代わりに、野菜を買った」と話している。単価の低いファミリーサイズやバルクパックを買い求める動きもある。ヨーグルトメーカー、ダノンの最高経営責任者(CEO)、エマニュエル・ファーバーさんは「消費者はこのところ、質の高い商品よりも、安価な商品を好む傾向にある」と話している。

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