「大好きなNYを裏切った気がする」 コロナ疎開した人に募る罪悪感

 ニューヨーク市のコロナ禍を避け、郊外に疎開したニューヨーカーの中には、罪悪感を募らせる人もいる。ニューヨークポストが10日、報じた。
 マーケティング・マネージャーのシャヤン・ジャムシェッドさん(30)は、2013年から住んでいたハドソンヤードから、家族のいるフロリダ州オーランドへ3月に移り住んだ。「大好きなニューヨークを裏切ったような気がする」と語る。他の疎開者からも「よく通っていたレストランを支援できずに、後ろめたい」「親しいドアマンやコーヒーカートの従業員の安否が気になって眠れない」などの声も聞かれる。心理療法士、テラリン・セルさんはこれらの心理を「生存者罪悪感に似たトラウマ」と分析している。
 投資銀行のアナリスト、サラ・ロジャースさん(24)は、ウエストビレッジから両親の住むコネチカット州グリニッジへ疎開した。しかし、ニューヨークで行われているジョージ・フロイドさん暴行死事件や人種差別の抗議行動について、不安が募っている。
 広告会社、ディトPRの創業者、トレイ・ディトさん(40)も妻と1歳の息子を連れ、ブルックリン区ウイリアムズバーグの高層アパートからアップステートのウッドストックにある別荘に引っ越した。「私を『今の私』にしてくれたニューヨーク市から逃げ出した。私は負け犬だろうか」と自問自答する毎日だという。

マンハッタン区34丁目。人影がなく閑散としている(Yuka Takeuchi / 本紙)

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