「警察がマスクを着用していない」指摘多数 抗議活動中、感染者数の増加を懸念

 ジョージ・フロイドさん暴行死事件や人種差別に対する抗議運動がニューヨーク市各所で活発に行われている中、「多くの市警察(NYPD)がマスクを着用していない」と指摘されている。ニューヨークタイムズが11日、報じた。
 5日、WNYCのラジオに電話出演したデブラシオ市長は、NYPDのダーモット・シェイ本部長と、警察がマスクを着用していないことについて何度も話し合いを行ったというが、それでも警官がマスクをしない理由について、改めて疑問を投げかけた。
 警官がマスクをしない理由には、上司や同僚からの圧力や、マスクを着用することによってコミュニケーションが取りづらくなることなどが考えられているが、マスクを着用しないことは、警官の横柄さや抗議運動参加者の健康に対する配慮に欠けるといったイメージが増長される上、警官自身を感染の危険にさらしていることが指摘されている。
 NYPDは公衆に接触する場合、警官はマスクを着用することを公式方針としている一方で、10日に発表された声明の中でNYPDは「マスク非着用に関する指摘は、些細な問題だ」と片付けた。
 ニューヨーク市では現在、新型コロナウイルスへの感染が1週間に数百件報告され、これまでに40人以上の警察関係者が同ウイルスにより死亡した。
 5月29日の時点で、全体の2.5%にあたる901人の制服警官が病欠しており、ピーク時の4月の19.8%から減少しているものの、連日の抗議運動により、更に感染者が増えることが懸念されている。

抗議活動を警備する市警察。ブルックリン区バークレイズセンターで撮影(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)

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